医療機関における様式9は、診療報酬の算定や監査対応に関わる重要な書類です。しかし、勤務形態が複雑な医療現場では、手作業による作成に大きな負担がかかり、集計ミスや属人化が起こりやすいという課題があります。
本記事では、様式9の役割や基本ルールを整理したうえで、様式9に対応したおすすめの勤怠管理システムを紹介します。機能や料金を比較しながら解説するので、システム選びの参考にしてください。
| 様式9に対応したおすすめ勤怠管理システム | |||
| サービス名 | 機能 | 「様式9」の自動出力機能の有無 | 料金プラン |
| ジョブカン勤怠管理 | 打刻/リアルタイム確認/シフト自動作成/就業規則アラート | 有り | ・無料プラン:1ユーザーあたり0円/月 ・有料プラン:220〜550円/月(いずれかの機能を単独利用する場合は220円) ※すべて税込価格 ※初期費用無料 ※月額最低利用料金は2,200円 |
| 快決!シフト君NEOメディカル | シフト表作成/アラート機能/シフト希望収集/専用帳票 | 有り(帳票テンプレート) | 要問合せ |
| ADVANCE勤怠クラウドHospital Edition | 出退勤打刻/残業時間の上限規制/各種申請・承認/帳票出力/データ連携 | 有り(オプション | 要問合せ |
| Universal 勤次郎 | 出退勤管理/残業管理/アラート通知/帳票出力/健康診断/ストレスチェック | 有り(医療オプション) | 要問合せ |
| CWS就業管理システム | 勤務表作成/出退勤打刻登録・収集/各種帳票/届出申請・休暇簿 | 有り | 要問合せ |
医療機関における様式9とは

医療機関における様式9は、職員の勤務実態を管理・報告するための書類です。厚生労働省が定める法定書類で、正式名称は「入院基本料等の施設基準に係る届出書添付書類(様式9)」です。
様式9には、看護職員や看護補助者の人数、配置状況、勤務時間数などを月単位で記録します。作成した書類は、入院基本料や特定入院料の算定時に、施設基準を満たしていることを証明するため、地方厚生局へ提出します。
様式9の役割
様式9の最大の役割は、医療機関における人員配置と勤務実態を客観的に証明することです。入院基本料の算定に用いられ、「看護師の配置人数が基準を満たしているか」「夜勤従事者の労働時間が法定基準内に収まっているか」を数値で示します。
入院基本料は病院収入の大きな割合を占めるため、様式9を正確に作成することは、医療機関の経営を安定させるうえでも重要です。
また様式9は、医療機関内部の労務管理にも役立ちます。月次で勤務状況を集計することで、人員配置の偏りや過重労働のリスクを早期に把握できる点がメリットです。
様式9の基本ルール
様式9を作成する際は、厚生労働省が定める記載項目と作成ルールを正しく理解する必要があります。
勤務時間の計算では、「病棟日勤」「病棟夜勤」「総夜勤」の3種類を正確に区別して把握することが重要です。それぞれの算出方法は以下のとおりです。
| 項目 | 算出方法・内容 |
|---|---|
| 病棟日勤時間数 | ・22時〜翌5時を含む16時間の夜勤枠を設定し、その夜勤枠に含まれない病棟勤務時間を集計 |
| 病棟夜勤時間数 | ・22時〜翌5時を含む16時間の夜勤枠を設定し、その夜勤枠内に病棟で勤務した時間を集計 |
| 総夜勤時間数 | ・病棟夜勤時間と病棟外での夜勤時間をそれぞれ別々に集計 ・合算した時間が72時間以内であることが分かるように記載 |
特に重要なのが、総夜勤時間に関わる「72時間ルール」です。これは、夜勤に従事するスタッフの夜勤時間数(月平均)を72時間以内に抑えることを義務付けたルールです。計算式は「夜勤従事者の延べ夜勤時間数 ÷ 夜勤を行ったスタッフ数」で算出します。
72時間ルールは、職員の健康管理の観点から厳格に運用されています。違反した場合は支払われる入院基本料が20%減額されるので、正確なデータ集計が不可欠です。
様式9の作成でよくある課題

様式9はエクセルでも作成できますが、実務ではさまざまな課題が生じやすい書類です。特に医療現場では、以下のような問題が見られます。
| 【様式9の作成でよくある課題】 ・ データの二重入力や確認作業に時間がかかる ・ 手作業による転記ミスと計算ミスが発生する ・ リアルタイムでの施設基準管理ができない |
医療機関では、日勤・夜勤・当直・オンコールなど勤務形態が多様であるため、各職員の勤務時間を正確に把握・集計する作業は大きな負担になります。勤怠データとの照合に時間がかかるうえ、手作業では集計ミスや転記漏れが起こりやすい点も課題です。
さらに、エクセルや紙で運用している場合、施設基準をリアルタイムで把握することが難しくなります。入院基本料の基準を満たせなかった場合は罰則を受ける可能性があるため、経営面のリスクにも直結します。
様式9の作成を効率化するなら勤怠管理システムが有効

こうした課題を解決する手段として有効なのが、勤怠管理システムの導入です。
様式9の出力機能を備えたシステムであれば、勤怠データの収集から帳票作成までを自動化できます。転記作業や計算作業が不要になるため、担当者の負担軽減とヒューマンエラーの防止につながります。
また、クラウド型の勤怠管理システムを活用すれば、施設基準をリアルタイムで管理することが可能です。月の途中でも職員配置や夜勤時間の状況を把握できるため、労務管理全体の精度向上にも効果的です。
さらに、時間外労働が上限に近づいた際にアラートを通知する機能があれば、72時間ルールの超過を未然に防げるでしょう。
様式9に対応したおすすめ勤怠管理システム
様式9に対応した勤怠管理システムは複数あり、それぞれ機能や特徴が異なります。ここでは、様式9の自動出力機能を備えたシステムを中心に、主要機能や料金の目安を比較しながら紹介します。
各サービスの特徴も整理しているので、導入を検討する際の参考にしてください。
| サービス名 | 機能 | 「様式9」の自動出力機能の有無 | 料金プラン |
|---|---|---|---|
| ジョブカン勤怠管理 | 打刻/リアルタイム確認/シフト自動作成/就業規則アラート | 有り | ・無料プラン:1ユーザーあたり0円/月 ・有料プラン:220〜550円/月(いずれかの機能を単独利用する場合は220円) ※すべて税込価格 ※初期費用無料 ※月額最低利用料金は2,200円 |
| 快決!シフト君NEOメディカル | シフト表作成/アラート機能/シフト希望収集/専用帳票 | 有り(帳票テンプレート) | 要問合せ |
| ADVANCE勤怠クラウドHospital Edition | 出退勤打刻/残業時間の上限規制/各種申請・承認/帳票出力/データ連携 | 有り(オプション) | 要問合せ |
| Universal 勤次郎 | 出退勤管理/残業管理/アラート通知/帳票出力/健康診断/ストレスチェック | 有り(医療オプション) | 要問合せ |
| CWS就業管理システム | 勤務表作成/出退勤打刻登録・収集/各種帳票/届出申請・休暇簿 | 有り | 要問合せ |
ジョブカン勤怠管理

ジョブカン勤怠管理は、多様な勤務形態に対応できるクラウド型の勤怠管理システムです。スマートフォンや生体認証など複数の打刻方法を備えており、医療機関の運用に合わせて柔軟に導入できます。
自動集計された勤務データは、フォーマットを選択するだけでダウンロードできます。様式9を指定すれば、期間や対象スタッフを設定するだけで、勤務実績が反映された帳票を出力可能です。
さらに、就業規則アラートや残業時間のリアルタイム確認機能も搭載しています。業務負担を軽減しながら、労務管理の精度向上を目指すなら、ジョブカン勤怠管理を選ぶとよいでしょう。
| 特徴 | ・勤務データを様式9フォーマットで出力可能 ・多様な勤務形態に対応する打刻機能を搭載 |
|---|---|
| 「様式9」の自動出力機能の有無 | 有り |
| 料金プラン | ・無料プラン:1ユーザーあたり0円/月 ・有料プラン:220〜550円/月(いずれかの機能を単独利用する場合は220円) ※すべて税込価格 ※初期費用無料 ※月額最低利用料金は2,200円 |
※シリーズ累計導入実績30万社(2026年1月時点)
※ITトレンド年間ランキング2025「勤怠管理・就業管理システム」カテゴリーで1位を獲得(2025年1月1日〜11月30日までの資料請求数を元に集計)
快決!シフト君NEOメディカル

出典:シフト表作成から様式9まで|快決!シフト君NEOメディカル
快決!シフト君NEOメディカルは、病院やクリニックなどの医療機関に特化したシフト管理システムです。勤務希望の収集をはじめ、施設基準を守ったシフト表の作成、シフト表の配付まで総合的に支援します。
シフト表だけでなく、様式9の帳票テンプレートも備えており、全国保険医団体連合会との共同開発によって制作された「様式9自動計算機能付Excel表」を採用しており、安心して利用できます。
様式9のほかに、病棟・看護管理日誌や夜勤職員配置加算などの専用帳票も作成できるため、施設基準の管理・運用をスムーズに進められるでしょう。
| 特徴 | ・医療現場におけるシフト作成をトータルで支援 ・全国保険医団体連合会と共同開発した様式9を用意 |
|---|---|
| 「様式9」の自動出力機能の有無 | 有り(帳票テンプレート) |
| 料金プラン | 要問合せ |
ADVANCE勤怠クラウドHospital Edition

ADVANCE勤怠クラウドHospital Editionは、医療機関特有の複雑な勤務形態に対応した勤怠管理システムです。一般職員と看護師の打刻・申請から勤怠チェック、集計管理まであらゆる業務処理を一元管理できます。
様式9の出力機能を標準搭載しており、集計作業の自動化を支援します。看護・介護支援システムのほか、給与ソフトとの連携性も高く、勤怠管理から給与計算までの業務を効率化できるのが特徴です。
クラウド版・オンプレミス版・プライベートクラウド版の3つの導入方法があるので、自院の運用方針に合わせて選ぶと良いでしょう。
| 特徴 | ・出退勤打刻から集計管理まで一元管理 ・選べる3つの導入方法 |
|---|---|
| 「様式9」の自動出力機能の有無 | 有り(オプション) |
| 料金プラン | 要問合せ |
Universal 勤次郎

出典:Universal 勤次郎 – 勤怠管理・健康管理システム
Universal 勤次郎は、勤怠管理と健康管理を一元化したトータルソリューションシステムです。夜勤やオンコールなど、医療機関特有の勤務形態に対応した回数集計機能を備えており、各種手当の管理を正確に行えます。
医療オプションを利用すれば、予定・実績を元に様式9を自動作成することが可能です。締め日前に勤務計画表を出力する機能もあり、事前に人員配置の過不足を確認しながら調整できます。
ストレスチェックや健康診断といった健康管理機能も充実しているため、安定した医療現場の運営に役立つでしょう。
| 特徴 | ・医療機関特有の勤務形態に対応した回数集計機能を搭載 ・予実を元にした様式9の自動作成 |
|---|---|
| 「様式9」の自動出力機能の有無 | 有り(医療オプション) |
| 料金プラン | 要問合せ |
CWS就業管理システム

出典:医療機関に特化した就業管理システム CWS就業管理 | インフォコム
CWS就業管理システムは、医療機関向けに開発された就業・勤怠管理システムです。看護部門の交代勤務や医師の当直など、医療機関特有の勤務形態に対応しており、働き方改革を総合的に支援します。
診療報酬の施設基準に対応した帳票出力機能を搭載しており、打刻データや勤務予定・実績データから様式9を出力することが可能です。打刻方法は、ICカードを使った在院時間の把握を基本とし、顔認証やスマートフォンによる打刻にも対応しています。
長時間労働が発生しそうな場合には、リアルタイムでアラートを通知してくれるため、労務リスクの低減にも有効です。
| 特徴 | ・医療機関特有の勤務形態に対応 ・診療報酬の施設基準に対応した帳票出力機能を搭載 |
|---|---|
| 「様式9」の自動出力機能の有無 | 有り |
| 料金プラン | 要問合せ |
様式9対応の勤怠管理システムを選ぶときのポイント

様式9に対応した勤怠管理システムを導入する際は、単に帳票出力に対応しているかだけでなく、運用面も含めて総合的に判断することが重要です。
特に医療機関では勤務形態が複雑なため、以下4つのポイントを確認しておきましょう。
日常業務に無理なく組み込めるかを重視し、自院に合ったシステムを選ぶことが大切です。それぞれのポイントを詳しく解説します。
1. 医療機関に適した打刻方法があるか
医療機関で勤怠管理システムを選ぶ際は、勤務形態に適した打刻方法があるかを確認しましょう。3交代勤務や直行・直帰など多様な働き方に対応するためには、複数の打刻手段を備えたシステムが適しています。
打刻方法が現場の実態に合っていない場合、正確な勤怠データを収集できず、様式9の信頼性も低下してしまいます。より精度を高めるなら、生体認証(指紋認証・顔認証)に対応したシステムを選ぶのも良いでしょう。
病棟・外来・手術室など職種や配置場所に合わせて、複数の打刻方法を組み合わせながら運用してみてください。
2. シフト作成機能が充実しているか
医療機関では24時間365日体制で運営されるため、シフト作成は大きな負担になりがちです。業務効率を高めるには、シフト作成機能が充実したシステムを選ぶことが重要です。
施設基準に対応したシフト作成機能を活用すれば、人数配置や夜勤回数、連続勤務制限などの条件を設定するだけで、自動的にシフト案を作成できます。看護配置基準や72時間ルールを守りながら、効率的なシフト運用を実現できます。
ほかにも、希望シフトの収集やシフトの公開、人員不足のアラートなどの機能があると、さらに業務負担を軽減できるでしょう。
3. 既存システムとの連携性が高いか
電子カルテ・看護支援システム・給与計算システムなど、既存システムとの連携性も忘れずに確認したいポイントです。システム間を連携できれば、二重入力が不要になり、担当者の入力工数を削減できます。
特に給与システムとの連携は、月次処理の効率化に直結します。CSVやAPI連携などの方法や導入実績を事前に確認しておくと安心です。
4. ワークフロー機能があるか
申請・承認のワークフロー機能も確認しておきたいポイントです。医療現場では急な残業や呼び出しが発生しやすいため、ワークフロー機能で「誰がいつ申請し、誰が承認したのか」を記録することが大切です。
スマートフォンやタブレットから申請・承認できるシステムであれば、管理者が現場を離れている場合でも迅速に対応できます。複数承認や特殊ルールに対応できるかも重要なチェック項目です。
自社に適した勤怠管理システムの選定でお悩みの場合は、Faber Companyまでお問い合わせください。
様式9対応の勤怠管理システムで業務効率化を実現しよう
様式9の作成は、診療報酬の算定や施設基準の維持に直結する重要な業務です。しかし、手作業による管理には限界があり、ミスや負担増大のリスクも避けられません。
様式9に対応した勤怠管理システムを導入すれば、帳票作成の自動化だけでなく、リアルタイムでの基準管理や労務リスクの低減も実現できます。自院の運用に適したシステムを選び、効率的で正確な勤怠管理体制を整えましょう。
自院に合った勤怠管理システムを詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
